プロジェクトは二条城の北側を望むロケーションにあり、歴史的な瞬間の舞台となってきた二条城を表現するために、コンセプトを「過去と現在をつなぐ離宮」としました。ホテルは当時栄華を誇った武家の奥座敷をモチーフにして、スモールラグジュアリーホテルの開発をいたしました。

プロジェクトにおいて庭は重要なテーマの一つでした。車寄せから、竹垣を沿って細い路地を進みエントランスロビーにつくと、そこには水盤が特徴的な中庭のパノラマが目の前に広がります。京都・嵯峨野にある祇王寺からインスピレーションを受けた苔と紅葉の庭が、この水盤に映り込む。さらに夜になると、ラウンジに配した玄武岩を磨いた大きなテーブルにも紅葉が映り、幻想的な光景が広がります。

全25室の広々とした客室にも、この映りこみの概念を生かし窓回りの天井と壁面を鏡のような仕上げをしており、中庭の景色や二条城を借景として、京都らしい伝統とモダンが融合する洗練された隠れ家のような滞在をお楽しみいただけます。