
2026年1月21日、観光庁より「インバウンド消費動向調査(2025年暦年(速報))」が発表されました。それによると訪日外国人旅行消費額は、9兆4,559億円。前年から16.4%増と大きく伸び、過去最高を更新しています。数字だけを見ても、日本の観光が再び大きな勢いを取り戻していることが感じられます。訪日外国人(一般客)1人当たりの旅行支出は、22万9千円と、こちらも前年比0.9%増。急激な伸びではないものの、訪日客数が増えるなかで堅調に推移しています。
そんな訪日客の支出の内訳に目を向けると、最も割合が高いのは宿泊費で36.6%。次いで買物代が27.0%、飲食費が21.9%と続きます。特に宿泊費は、2024年度の33.6%から約3ポイント上昇しました。為替や物価の影響、そして4270万人に達した訪日客数の増加が全体を押し上げたという側面はあるものの、同時に「泊まる」「味わう」といった滞在中の体験に価値を感じる旅行者が増えていると捉えることもできると思います。

観光庁 報道発表資料2025年暦年(速報)より
2030年の政府目標である訪日客6,000万人、消費額15兆円に対する進捗を見ると、訪日客数は約71%、消費額は約63%の達成となっています。人数の目標達成が先行している今、これからはいかに訪日外国人1人当たりの旅行支出を伸ばしていくのかが、観光産業全体にとって大きなテーマになるのではないでしょうか。
その重要な鍵となるのがラグジュアリー志向や体験を重視した旅行需要だと私たちは考えています。その土地ならではの文化や自然、食に触れる——そうした体験に価値を見いだす旅行者は、今後も確実に増えていくでしょう。一方で、インバウンド都市部に集中し、オーバーツーリズムが発生している点は、以前として大きな課題に感じています。2030年の目標達成に向けては、消費単価の増加に取り組むとともに、いわゆるゴールデンルートに偏りがちな観光客を地方へ呼び込む仕掛けや、日本の奥深い魅力を伝える取り組みがこれまで以上に大切になってきます。
私たちは、その土地ならではの自然や文化、食、歴史と調和した空間づくりやおもてなしの提供を通じて、単なる「宿泊」にとどまらない体験そのものの価値を提供することを大切にしています。そうすることで、日本を旅する方の満足度が高まるだけではなく、結果として日本の観光全体の魅力向上と、地域経済の持続的な発展につながっていくと確信しています。
世界中の人々が日本を訪れることを夢見て、日本を「憧れの国」と想い巡らせる。そして日本人自身が日本を「誇れる国」と自負できるように、これからの日本の観光業をリードする存在を目指して、これからも事業に取り組んでまいります。
ウェルス・マネジメントVOICE編集部